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2007年11月28日 (水)

赤倉 三ツ岩(赤倉の森に遊ぶ)

赤倉の森に遊ぶ(三ツ岩の探索と開拓)
赤倉の写真
赤倉の知人宅から赤倉川方面を望むと、山の斜面に端正な三角錐の岩が三つ並んでいるのが見える。これは地元では三ッ岩と呼ばれ、以前より『「誰も登ってないから、ロッククライミングで登ってみたら」と集落の人から言われているから登ったらどう』と知人に勧められ、 早速この三連休を利用して行って来た。

24日
地元猟師の親分、通称「ひげ」さんより大体のアプローチを教わる。猟師用語で尾根の事は「サク(柵?)」と言うらしい。あと、猟師さんの「人の道(獣道でない)」は、本ちゃんクライマーのそれと同じ認識な事が歩き始めて直ぐに分かった。若干うろついたが、1時間も掛からずに三ッ岩に到着。早速一番立派そうな中岩より、まずは探索開始。岩の末端部は脆いハングした壁を苔が覆っており、危険(脆くて)・ きつい(傾斜)・汚いの3K状態。左側壁は正面に比べるときれいなものの、クラック 等の弱点が皆無で、且出だしが被っているので取り付く島がない。仕方なく右側壁を偵察すべくブッシュを分け斜面を登ると、岩が見えなくなってしまう。おかしく思い 少しトラバースすると、そこが正に頂上だった。ヨセミテの「ロストアロー」みたいな 独立した尖峰を期待していたのにガッカリ(スケールは全然違うが、遠目には形がそっくり)。これだと多分過去に人がここまで来ているだろし、仮に誰も来てなくとも「ヒマラヤの3千m初登頂」と同じで全然面白味がない。気を取り直し右岩を窺うが、これも中岩と同じ様な構成で、岩自体の大きさは中岩より小さい。中岩同様裏から回り込むと数mの簡単な登りで頂上へ。残る左岩の頂上は敢て覗かず、明日に期待し取り合えず下山する。

25日
今日は昨日の反省もあり、「岩峰の末端より取り付き、頂上まで」に作戦変更。この左岩の末端の正面壁はやはり苔が多く汚いのは相変わらずだが、幸いな事に先の2つと違い、ハングしておらず取り付き易かった。
1P目・階段状の容易なフェースを登り、細い木が2本の小レッジへ。ビレー点の潅木
は根が張っておらずグラグラ。ボルトを埋めたい所だが、そのまま釣瓶でトップを交代。
2P・5m程登り、ボルトを1本埋める。ここからは傾斜も立つ。更に岩は脆くて苔がのっている。唯一見つけたリスもハーケンを打つと上の岩が崩れそうで使えなく、ボルトを打つと岩ごと引き落とされそうで打てず、仕方なく岩に生えた根の張らない潅木にランニングを取り、なんとか登りきりブッシュへ。ブッシュを少し登ってテラスでビレー。

3P目・目前には苔一つ付かず、堅牢そうできれいなカンテが出てきた。所が登ってみるとカンテは10m程で傾斜を落とし、更に10m程登ると頂上だった・・。やはりこの頂上も裏の山の斜面と繋がっており、独立した峰ではなかった。

この登攀では消化不良だし時間も有るので、再度中岩を、今度は末端から登るべく取り付きへ。末端壁は幾ら見ても登れそうにないが、一番右端の苔に覆われた部分だと何とかなりそう。「わざわざこんな所を」と思うが、池野が是非にというのでビレーに回る。少し登ってボルトを1本埋め、ホールドになる所の分厚い苔を剥がし始めるが、剥がした後はホールドやリスは無くただ脆い岩が出てくるだけの模様。見切り発車でフリーで突っ込もうとするのを止めさせ、降りるように言う。登る先にカムやハーケンを利かせる、或は立ちこみやフッキングでボルトが打てる事が読めないまま登るのは余りに強引。まあ、自分が行く時にはそういった場面も時にあるんだけど。

もう時間も無くなってきたので、末端部を右壁の方からエスケープして上部のカンテを登る。このカンテは、左岩と同様に下部とは打って変わってきれいで良い岩質となる。クラックは皆無の岩なので、ボルトと岩の皺用に小さなオフセットエイリアンだけ持って登り始めるが、どちらも使う事無かった。簡単だがとても快適なカンテを約40mで中岩頂上へ。

頂上から眺めると、やはりこの中岩の左側壁は岩質も良く岩も大きいが、グラウンドアップで登るにはクラックなどの弱点が無い上に被っているので、我々の力では無理だろうと感じる。かと言ってボルトラダーやラッペルボルトを打って登る趣味は無いので、この三ッ岩での遊びはこれまでとする。思っていたような岩でなく、また登攀では無かったが、やはり未知の岩を触る事は楽しい。それなりに満ち足りた思いで、早くなった日没を追いかけるようにして家路に着く。

なお、登りに行かれる酔狂な方も折られないと思うが、左岩のラインはお世話になった赤倉のIさんのお店の名を取り「ちゃや」、中岩の上部カンテはアプローチを教えて頂いた猟師の「ヒゲ」さんの名を取り「ヒゲカンテ」としたい。

追補

グラウンドアップの言葉について、「グラウンドアップはフリークライミングでの開拓方をさすものであるから、フックやハーケン(ハンドプレスなんかで)に体重を掛けて打ったボルトで作ったルートはグラウンドアップとは呼ばない」と言われる方も居られるようだが、私は個人的には、上記の様な手法は「グラウンドアップ」と呼んで良い様に思う。もっと言えば、長いマルチルートの一部のブランクセクションに人工が入っても、下から登ったものは同様に「グラウンドアップ」で良いと考える。まあ、言葉の定義づけなどどうでも良いと言えばどうでも良いものだが。自分の信ずる、或は好きなスタイルで登ることが肝要。

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